人間の現実的・生物的解析
これは長年の個人的研究による、人間の現実的・生物的・情報処理的な理論解析である。
概要
人文・社会科学は厳密さにおいて自然科学・医学に劣っている。また自然科学・医学は全体としての整合性を持つが、人文・社会科学にはない。自然科学・医学が一体的な繋がりを持つのに比べて、人文・社会科学の繋がりは不明確である。
これらを改善するため、人間の包括的・網羅的な理論解析を考案した。徹底した論理性・現実性と情報処理的手法に特徴がある。当解析は非常に難解であり、論理的な難解さと、普通から遠い難解さを兼ね備えている。
当解析は人間に関する事象を自然科学・医学の側に寄せて繋げ、人間を「現実化・生物化」するものである。人文・社会科学を含む、人間に関する様々な事象を包括的に解析した。現実と「メタな認識・規則」を使い、具体的な各種の精神疾患や社会構造などを説明できる。人間の現実化・生物化により解析を明確化でき、全体としての整合性を持たせる事ができる。これにより、人間に関する事象を自然科学・医学のように発展させる事が可能になる。
人間も一種の情報処理体と言えるので、情報処理の手法を応用して厳密な解析を行った。当解析は人間の情報処理的なリバースエンジニアリングに近い。厳密な演繹的論理構造を積み上げる事で、包括的・網羅的な理論解析を可能とした。
既存学問に対する適用を以下に示す。
- 機械学習・強化学習の概念を人間の解析に適用できる
- 精神疾患の多くを構造的に解析でき、薬物療法の意味が分かる
- 「普通の人間」の正誤を分析できる
- 生態学を社会科学に適用できる
- 経済・国家・産業の根本的構造が分かる
- 中国が自由民主主義なしで先進国に近い発展をした理由が分かる
- 巨大都市への人口集約の問題と、その改善策が分かる
- 移動・交通に関する都市・農村の構造分析ができる
- 犯罪・暴力の問題を個人から社会まで複合的に解析できる
- 共通論理を持つ様々な定量分析を、個人から社会まで行える
- 共通論理を持つ様々なシミュレーションを、個人から社会まで作成できる
当解析の位置付けを以下に示す。自然科学・医学は厳密で整合しており、全体として一体的である。人文・社会科学は非厳密で不整合であり、全体としてバラバラである。自然科学・医学は現実が対象で正しい。人文・社会科学は人間が対象で、相対的に誤っている。当解析は厳密で整合しており、自然科学・医学側に対して一体的である。論理展開は自然科学・医学を元にして人文・社会科学に向かう。
当解析は厳密・現実的で難解である。厳密・現実的な議論でないと、当解析で検討できない。厳密な言葉の定義や、論理への当てはめなどが必要である。事象に対して当解析の論理を当てはめるのが難しい。既存の人文・社会科学の曖昧な議論では、当解析での評価をする事もできない。
当解析は論理構造が通常と異なり難解である。根本的に論理構造自体をメタに扱っている。また多方向の論理が相互に関連したり、途中で論理が方向転換したりする。紛らわしい概念も多く、正しく理解するには論理を追う必要がある。適用部分だけ見ても正確には分からない。それでも中核構造はある程度単純である。精神疾患・犯罪・暴力・国家・戦争・貨幣・産業などが中核構造と関連する。
理論解析として必要なのは全体としての整合性と具体性である。これについては十分な検討ができている。細部の事象の検討は十分とは言いにくいが、具体的な検証が可能な状態にはある。
現代でも人間・社会には様々な問題が存在する。当解析を元に現実的・具体的分析をすれば、これらの問題を改善できる。ただし当解析は難解なので容易でない。当解析は現代人にとって厳しい内容である。
当解析は「人間的で素晴らしいもの」でなく、「現実的・論理的で役立つもの」である。必要なのは「素晴らしい曖昧な人間」でなく「現実的・明確で整合した真の人間」である。当解析が示す行先は現実的・生物的で整合した世界であり、普通から遠い世界である。普通から遠いため現実的・論理的に見ないと意味が分からない。当解析は、普通の人間にとって感覚的・感情的に受け入れがたい内容である。実際には普通レベルから問題の多い現代を、当解析により現実的に改善できる。
人間・現実と規則
特に重要なのは「人間・現実と規則」の解析である。人間は曖昧で現実は明確である。現実の明確さにより自然科学・医学は発展してきた。人間も現実化・生物化すれば明確化・整合し発展できる。人間は知的生物である。「現実化・生物化した人間」と現実に合うという制限下で、可能な限り明確な規則を作成する必要がある。
「現実化・生物化した人間」は生息状況として見るのが分かりやすい。
「人間・現実と規則」の解析に基づく「人間に対する考え方の正誤」を以下に示す。これも難解なので注意が必要である。
正誤 | 考え方 | 詳細 |
---|---|---|
正しい | 現実的かつ生物的 | 明確・整合、生息状況、真の人間・感情、知的生物 |
条件付 | 現実的 | 生物的なら正しい |
論理的、合理的 | 現実的かつ生物的なら正しい | |
誤り | 人間的、感情的 | 曖昧・不整合 |
機械的 | 生物的でない | |
動物的、野性的、人間以外の生物的 | 知的でない |
「人間・現実と規則」の解析については、主要部分のスライドで記載している(概要−「人間・現実と規則」の解析)。この論理構造を理解する事が重要である。この部分は当解析の中核であり、かつ当解析の方法論を示すものでもある。
「人間・現実と規則」の解析による「人間が曖昧な理由」を簡単に説明すると、人間の内部を明確に見る事ができないからである。
認識の修正
当解析では認識をモデルの集合体とする。誤った認識において、人間は曖昧でバラバラ・不整合である。現実は「人間と別のもの」と理解される。この認識全体を修正する必要がある。人間の認識を「現実的・生物的な真の人間」に修正すれば、人間全体で明確化・整合する。現実も人間と整合するように修正する。これが正しい認識である。
動物と人間の脳の先天的・後天的部分を比較する。「現実化・生物的な真の人間」は先天的部分であり、認識は後天的部分の一部である。動物の後天的部分は弱く、先天的部分に追従する。一方で人間の脳の後天的部分はとても強い。そのため先天的部分から独立して不整合を起こす。これは後天的部分の根本問題であり、先天的部分に合わせる必要がある。現実に対する科学技術は後天的部分の進歩によるものであり、人間の生物的進化ではない。後天的部分にはさらなる進歩が必要である。
認識の修正対象として自己の理解が重要だが、真の自己は分かりにくい。自己の生息状況として見るのが分かりやすい。
正しい認識が不十分なまま現実化すると、うつになる可能性がある。
当解析を使えば、「正しい感情」や「誤り方」なども具体的に分析できる。
中核構造
中核構造の概要を以下に示す。
精神疾患・問題行動に関する中核構造を以下に示す。
精神疾患・問題行動に関する中核構造の利用案を以下に示す。
- 現実と自己の生息状況の理解による認識修正を検証
- 人間・現実までの開放理解による認識修正を検証
- 精神疾患・問題行動における閉鎖枠内外での現実の変形を検証
- うつにおける認識破壊を検証
- 精神疾患・問題行動における自己・社会の閉鎖を検証
社会に関する中核構造を以下に示す。
社会に関する中核構造の利用案を以下に示す。
- シミュレーションで実規則化・人工物・自然物を試行し実態と比較
- 貨幣以外の権利における需給を検証
- 生物における需給・権利を検証し人間と比較
- 物・時空間の所有量、生物的権利、養育人数など、様々な現実的権利を分析
- 実規則化・権利・国家などを使った歴史・世界の統一的解釈
- 壊れて困る権利の所有量と暴力抑制の検証
- 第一・二・三次産業における人工物・自然物・人間の多寡・価値を比較
- 人・物・時空間・現実的サービスなどの増減と出入りを分析
- 貨幣的な発展に対して、人口・現実的権利の増加が連動しているかを検証
- 現実的権利の増減に基づく仕事の必要性判別
- 犯罪を暴力・閉鎖・問題行動・権利・国家などで複合的に検証
利用方法
- 人間に関する学問の根幹に入る事ができる
- 論理展開は自然科学・医学を元にして人文・社会科学に向かう
- 学問全体と連携、学際的利用が可能
- 当解析は定性的だが厳密で情報処理的、多数の情報処理的モデルの集合体
- 定量的に数値比較・統計・データ科学などで利用できる
- 情報処理的なのでシミュレーションなどによる利用もできる
- 言葉・論理を厳密に理解しないと、定性的にも利用できない
- 論理構造が重要、表面的に適用部分を理解しても、正確な意味は分からない
- すべての論理を追うのは困難、部分的な論理を正確に追って利用すべき
- 中核構造を見れば部分的な論理でも全体の流れが分かる
- 「現実化・生物化した人間」に対して、厳密に当解析を当てはめる必要
- 対象は人間だが、現実的理論・法則と同様の利用方法
- 物理学でも厳密に物理的数値を取得し、適切な数式を選ばないと利用できない
- 人間に関する事象が簡単に分かる訳ではなく、当解析への当てはめ方を検討する必要
- 一例として「人口と大都市数」だけ簡単な定量的解析を行っている
- 「人口と大都市数」が定量的に扱いやすいため
スライドと全体
人間の現実的・生物的解析 主要部分(スライド)
人間の現実的・生物的解析(全体、長いので注意)